こんにちは！Flying Tiger Copenhagenのakemiです。

ハロウィンの喧騒も消え失せ、秋も静かに深まってまいりました。デンマークではすでに「冬のはじまり」、寒さが日を追うごとに厳しくなる11月。雪が降り始めるのもこの時期です。

寒さが日を追うごとに厳しくなる11月。
雪が降り始めるのもこの時期です。

身を切るような冷たい風が吹き始めると、お気に入りのカフェで過ごしたり、 知人を家に訪ねたり、自宅のリビングでボードゲームを楽しんだり本を読んだりと、 室内で過ごすことが多くなります。
デンマーク人にとって、キャンドルを灯した室内で、お気に入りの家具に囲まれて、 大切な人たちと温かい飲み物を楽しむ時間はまさにヒュッゲ(Hygge)。

ちなみにデンマークは世界でも有数のコーヒー党の国。
コーヒー好きの間では、行ってみたい国として語られることの多い国。
そんなデンマークでは、夏でもコーヒーはホットで飲みます。
（「アイスティーはありだけど、アイスコーヒーはありえない」というデンマーク人は多いです）[一人当たり一日の杯数]という統計があるのですが、デンマークは2.59杯で世界第3位です。日本は0.93杯で30位だそうです。

コーヒー専門店に加え、街角には移動式のコーヒー店も
Photo by Kim Wyon
Source:Visit Denmark

そして温かい飲み物と言えば、赤ワインにスパイス類を加えて作るグルク(Gløgg)。
この季節になると、劇場、映画館、展示会や社内ミーティングでも供される11月のデンマークに欠かせない飲み物です。
家庭やお店によってレシピはさまざまですが、基本的な材料は、赤ワイン、アクアビット、クローブを刺したオレンジ、レーズン、アーモンド、シナモンスティック、レモンなどで、寒い時期に、人が集まる時に、大鍋にいっぱい作られます。

心も体も温まる北欧の冬酒グルク
Photo by Kristian Krogh
Source:Visit Denmark

そして、11月の第一金曜日はJulebryg-Dag（クリスマス醸造の日）、通称J-Dag(イヨーデイ)と呼ばれるクリスマスビールの解禁日です。
クリスマスビールは通常品よりアルコールが強く甘いのが特徴で、これはデンマークの伝統的なクリスマス料理とのペアリングを想定しているためとのことです。

「ボジョレヌーボーみたいなものですね」とおっしゃる方がありますが、そんなものではありません。 デンマーク人が大大大好きなクリスマスシーズンの到来を、大大大好きなビールの期間限定品で告げる日なのですから、これはもう盛り上がるしかないイベントなのです。

今年の解禁日は11月2日（金）ですが、その時刻にご注目！20時59分となっています。「１分でも早く」という気持ちが伝わってきますね。

Source:Visit Denmark

この日、ツボルグ社（Tuborg）はクリスマス仕様のトラックや昔ながらの馬車を仕立てて、ラベルと同じブルーに雪をあしらったニセやバーニーのコスチュームに身を包んだ美しい女性たちを伴って、バーやレストランにクリスマスビールを配って回ります。
デンマークの若い男性たちは早くからバーに集い、クリスマスビールの到着を今や遅しと待ちかまえます。
スカンジナビア航空の機内や大学のバーでもサプライズでクリスマスビールが供されるなど、それはにぎやかでハッピーな夜がふけていきます。
実は、メーカーが「無事に帰宅できるよう節度をもって飲みましょう」というイラストポスターを掲示するほど、羽目をはずしてしまう人も多いのです。

二日酔いがなおったら、ツリーを買いに行きましょうか。
ということで、期せずして飲み物のお話しばかりになりましが、次回はクリスマス準備の様子をお伝えします。