デンマーク紹介 -ヒュッゲ溢れる国-

こんにちは!
フライング タイガー コペンハーゲンのakemiです。

早咲きの桜の便りが聞かれるようになりました。
まだこんなに寒いのに、と半信半疑にもなりますが、一雨ごとに気温も少しずつ上がっていくことでしょう。

春はもうそこまで

コペンハーゲンの3月の平均最高気温は7℃で平均最低気温は0℃と季節はまだ冬。
それでも、日は確実に長くなって夕方6時ぐらいまで明るく、海岸や湖の氷が解け出します。

敏感に春の気配を感じて、まだ肌寒い中、「冬眠」していた人びとがストリートに繰り出す季節です。


Photo by:Malthe Zimakoff
Source:Visit Copenhagen

冬の終わりを告げるファステラウン

Fastelavnってご存知ですか?
イースターの49日(7週間)前、今年は3月3日(日)に行われる、邪気を払って春を迎える行事です。
デンマークやノルウェーなど、ルター派の北欧諸国で行われています。
 

同じ時期に行われるローマカトリックのカーニバル(謝肉祭)の起源もまたキリスト教の断食に由来していて、カーニバルとはラテン語で「肉を取り除く」という意味とされています。
2019年のリオのカーニバルは3月1日~4日に行われます。
 

現在は宗教的な意味は薄れ、子どもたちが楽しみにするイベントの一つになっています。
さて、どのように過ごすのでしょう。

ファステラウン・ツリー

カバノキの枝でFastelavnsrisを作ります。
クリスマス・ツリーならぬファステラウン・ツリーは、用いる木も飾りも地域で異なります。

たとえば・・・

  1. 果物の木、できれば蕾のある木、付けるのは羽、卵の殻、コウノトリ、小さい赤ちゃんの人形
  2. 柳の枝を曲げてアンク(エジプト十字、生命を意味する)のような形をつくり、クレープペーパーを巻きつける
    などなど。

 


Source:Den Kriativesky

両親を起こす

ファステラウンの日の朝、子どもたちはキャンディなどを飾り付けたカバノキの枝でベッドをたたいて、両親を起こす風習があります。
これは、家族が一層栄えるための(子孫繁栄の)おまじないとのことです。
 

仮装

この日は大人も子どもも、動物やさまざまなキャラクターの姿にドレスアップし、ペットまでも引き連れて街の広場に大集合。
仮装のテーマは、伝統的には黒猫や動物ですが、男の子はヒーロー、そして女の子はプリンセスが根強い人気となっています。
 


Source:KØBENHAVNS STIFT


Source:Kirken I København

フライングタイガーの店舗でも、ハロウィンから翌年2月にかけて、お子様の仮装グッズが充実するのはこのためです。
2018年1月のキャンペーンテーマは<ヒーロー>でしたし、今年は可愛らしい人魚姫のコスチュームが登場。
女性スタッフがざわめいています、着られないのに(笑)

家々を回る

子どもたちはグループになって広場を出発し、歌を歌いながら近所の家を回り、お菓子や小銭をもらいます。
そうです、キャッシュです。
子供たちにとっては貴重な現金収入ですので、気合も入ります。
この行為は、断食前に、子供たちがご馳走(パン)を集めて回ったことに由来します。
 

これってハロウィンにそっくりですよね。
ファステラウンが北欧版ハロウィンといわれる所以です。
「だからデンマークにはハロウィンはいらない」という人もいます。
 

子供たちが家々を訪ねる時に歌う♪ファステラウンはわたしの名前♪は、こんな曲です。

 ファステラウンはわたしの名前
 バンズが欲しい
 バンズをくれないと
 困らせるよ

 バンズを上へ、バンズを下へ
 バンズはわたしのおなかの中

 バンズをくれないと
 困らせるよ


この歌詞もハロウィンのTrick or Treat(お菓子をくれないといたずらするよ)と通じるものがありますね。

樽たたきとパン食い競争

幼稚園、小学校、地域、教会などに集まって、ゲームをして楽しみます。
メインイベントは、樽たたき。
黒猫の絵を貼った小さな樽を吊るし、棒で順番に叩いて樽を壊します。
 


Source:Kirken I København

かつては魔女の使いとして不吉・邪気の象徴とされていた本物の黒猫が入れられました。
現代では、樽の中にはたくさんのお菓子が入っていて、壊れると同時に落ちてくるお菓子の争奪戦となります。


Source:Pixabay

そしてもう一つのゲームはパン食い競争。ひもに吊るされたパンを、口だけでいち早く取り外します。
 

樽たたきで一番に樽を壊した人やパンを一番早く取り外した人には、「猫の王様」、「猫の女王様」の称号が与えられるので(ローカルルール有り)子どもたちは真剣そのものです。


Source:Spottrup Ugeavis

ファステラウンボーラ

もう一つファステラウンに欠かせないのがFastelavnsboller。
上記のパン食い競争にも使われます。
2月になると、街のベーカリーの店頭にはさまざまな種類のファステラウンボーラが並びます。
 

本来はパンそのものでした。
やがて甘味のあるバンズに砂糖をかけたものが作られるようになり、今日ではペストリー生地の中にたっぷりのジャムやクリームを入れた贅沢なものが主流になりつつあります。
 

これについてはしばしば論争となるようで、「あなたにとってファステラウンボーラはどんなパン?」とある地方紙では三択アンケートを行っていましたよ。


Source:Pxhere

ファスラウテンボーラと温かい飲み物を楽しみながら、春に思いを馳せる。
心なしか空も明るくなってきたようです。そう、来月はイースターですもの。

この記事を書いた人

aa(akemi)

フライング タイガー コペンハーゲン一番のデンマーク通。
息子とハンバーガーを愛する社内ブロガー。
不定期で、デンマーク紹介をしていきますので、皆さんお楽しみに!

写真引用
 

Grundvigs Kirke
 https://grundtvigskirke.dk/
Den Kreativesky
 http://denkreativesky.dk/
KØBENHAVNS STIFT
 https://kirkenikbh.dk/
Midtjyllands Avis
 https://www.mja.dk/
Pxhere
 https://pxhere.com/
Pixabay
 https://pixabay.com/da/
Spottrup Ugeavis
 http://www.spottrup-ugeavis.dk/
Visit Copenhagen
 https://www.skyfish.com/p/copenhagenmediacenter
 

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