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デンマーク紹介 -ヒュッゲ溢れる国-
デンマークの4月について (第14回 デンマークの4月)
こんにちは!
フライング タイガー コペンハーゲンのakemiです。
すっかり春めいてまいりました。
ようやく北国デンマークにも春はゆっくりとやってきたようです。
色彩あふれる春のデンマークについてお話しましょう。
春のおとずれ
デンマークを含むヨーロッパと米国では、3月の最終日曜日(2019年は31日)の午前2時に時計を1時間進めて、夏時間、いわゆるサマータイムに切り替わります。
屋外での楽しみが増える春。
雪が解けると、待ちわびていた庭仕事や自宅のリフォームのために、ホームセンターに出かけて、たくさんの種苗や資材を買い込み、わが家を整える準備を着々と進めていきます。
Source:Unsplash
家族連れで池や湖にでかけ、白鳥やアヒル、鴨などに餌やりを楽しみます。
小学校では子どもたちが校庭の木に色とりどりの巣箱を取り付け、教室を飛び出して森への遠足や博物館見学といった課外授業も増えてきます。
水鳥たちの公園デビュー
Source:Pexels
デンマークのイースター
十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念・記憶するイースター(復活祭)は、デンマーク語ではPåske ポースケといいますが、キリスト教においてはクリスマス(生誕祭)よりも重要な祭事で、各教会では特別な礼拝が行われます。
現代ではその宗教色は薄れ、春の訪れを告げる祝日としてキリスト教国を中心として盛大に祝われています。
イースターはいつ?何をする?
春分の後の最初の満月の後の日曜日に行われる移動祝日です。
2019年の春分の日は3月21日(木)、その後の満月は4月19日ですので、イースターは4月21日(日)になります。
デンマークでは、4月18日から22日まで、ゴールデンウィークのようなまとまった休暇となります。
親を訪ねたり、家族でポースケ・フロコスト(イースターランチ)を囲んだり、クリスマスと同じように大切な人との時間を過ごす意味も強く、デンマーク中があたたかくゆったりとした雰囲気に包まれる休暇です。
イースターのウサギと卵
街中にパステルカラーがあふれ、スーパーやお菓子屋さんではウサギや卵をかたどったチョコレートが並びます。
ウサギは多産や繁栄の象徴として、卵はこれから生まれてくる命の象徴として、イースターのシンボルとなっています。
Source:Flying Tiger Copenhagen
イースターバニーの起源・由来ですが、ルーテル教会から広まった裁判官ウサギの伝承がそのルーツの一つと考えられています。
イースターのシーズンになると裁判官役の野ウサギが登場し、子供たちが良い子にしていたかを厳しく評価するというものです。
サンタクロースが良い子だけにプレゼントを運んでくるように、イースターバニーは、イースターエッグやキャンディ、おもちゃなどをバスケットに入れて良い子の家に届けます。
またイースターバニーが卵を隠すという伝承があり、イースターの朝に子供たちが卵を探すエッグハントを行うのはこのためです。
裁判官殿、卵はどこですか?
Source:Pexels
イースターのデコレーション
デンマークではイースターにpåsketre(イースターツリー)といって小枝を飾る習慣があります。
鞭打ちの罰に使われた小枝は、キリストの受難を表しています。
ネコヤナギやつぼみを付けた花の枝などにオーナメントを下げたり、窓辺にモビールのようにあしらったりして家の中を飾りつけます。
アイロンビーズを飾ったイースターツリー
Source:Nattergalen
Source:Flying Tiger Copenhagen
イースターの遊び
前述のエッグハントと並んで、子どもたちが楽しみにしているのは、イースターエッグ作りです。
生卵の両端に穴を開け、息を吹き込んで中身を出し、その殻に絵の具で思い思いに色づけします。
中身を取り出すために、子供たちが顔を真っ赤にして息を吹き込む光景は、イースターならではの大変ほほえましいものです。
Source:Pexles
もう一つ、デンマークのイースターの伝統行事として、今も多くの家庭で大切に受け継がれているのがGækkebrev(ゲキブレウ fools letter)です。
子どもたちはイースターの日の朝、ゲキブレウと呼ばれる切り絵の手紙を受け取ります。
手紙の内容は「名前を忘れた/落としたので、教えて欲しい」というもので、最後に名前のヒントとなる数字が並んでいます。
これは何番目のアルファベットかを示す数字で、例えば1-14-14-5なら、A-N-N-E(アンネ)ということになります。
またはドットだけを記し、ドットの数で差出人を推測するパターンもあります。Anneなら・・・・となります。
名前を当てることができた子どもたちは、卵の形をした入れ物に入ったお菓子やプレゼントをもらえます。
また逆に、子供たちが名前を伏せて両親や祖父母にGækkebrevを送り、誰からか分からなければ差出人である子供にプレゼントを贈るというバージョンもあります。大人たちは分からないふりをしなくてはなりません。
どちらの場合も、子供たちは首尾よくプレゼントをせしめることになるのですが。
Source:Pernille Zawadzka
イースターの花
3月中旬~4月中旬に訪れるイースターの季節は、ラッパスイセン、スノードロップ、クロッカスなどさまざまな花が店頭に並ぶようになり、春を実感させます。
季節の花は、イースターの食事に招かれた時の手土産にも最適です。
中でもスノードロップ(vintergækker マツユキソウ)は、デンマークの春の訪れを、そしてイースターを象徴する花として親しまれています。その花言葉「希望」「慰め」は、楽園を追われたアダムとイヴ*を慰めるために、天使が舞い落ちる雪をスノードロップに変えたという言い伝えに由来します。
*ヘビにそそのかされたアダムとイヴは、禁断の果実を食べてしまい、神の怒りに触れ楽園を追放される。
スノードロップ(マツユキソウ)
Source:Unsplash
イースターの食事
メニューはキリスト教の伝統にのっとって、ランチには卵を、夕食には子羊を供します。
いつもより豪華で種類の多いスモーブロー(オープンサンドイッチ)が定番で、そこに玉子料理や子羊が加わるスタイルです。
食卓も料理もデザートも、イースターを意識した色調で整えられます。
イースターランチのテーブル
Source:Imerco
またビール好きのデンマークでは、この時期にはイースター醸造と呼ばれる期間限定ビールも登場します。
下の画像はクリスマスビールでお馴染みのツボルグ社のイースタービールです。
Photo by:Malthe Zimakoff
Source:Visit Copenhagen
サマータイムが始まり、日に日に日照時間が長くなるのが実感される季節となりました。
働く理由を「休暇のため」と答えてはばからないデンマークの人々。
ようやく訪れた春の日差しを浴びながら、夏休みに思いをはせる、という最高にハッピーな日々なのです。
写真引用
Carlsberg Breweries A/S
https://carlsberggroup.com/products/tuborg/tuborg-paskebryg/
Imerco
https://www.imerco.dk/
Nattergalen
http://nattergalen8.blogg.no
Pernille Zawadzka
http://www.pernillezawadzka.dk
Pexels
https://www.pexels.com/
Tina Dalbøges kreative påfund
https://www.bloglovin.com/blogs/tina-dalboges-kreative-pafund-2813976/kaere-kyllinger-til-paskebordet-lige-til-4789567470
Unsplash
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