デンマーク紹介 -ヒュッゲ溢れる国-

こんにちは!
フライング タイガー コペンハーゲンのakemiです。

梅雨のないデンマークでは、待望の夏季休暇を目前に、窓から恨みがましく青空を眺めながら、仕事や勉学にいそしむ-6月はそんな季節です。

憲法記念日 Grundlovsdag

デンマークでは民主化の要求が強まり、1848年に絶対君主制が廃止され、翌年1849年6月5日に立憲君主制*を定めた憲法が制定されました。

*君主と呼ばれている人がいてさらに立憲制度が整っている国のことです。
君主も憲法を違反することができない状態にすることで、君主が暴走しなくすることができます。
イギリス・日本・スペイン・北欧諸国がこの立憲君主制をとっています。

デンマークの憲法については、解釈の余地が広いため、1953年を(憲法記念日に合わせて6月5日に)最後に、66年の長期間にわたり改正は行われていません。
憲法を長年改正していない国としては、日本の「日本国憲法」が1番長く(1947年5月3日)、「デンマーク憲法」が2番目となっています。


デンマークの国会があるクリスチャンズボー宮殿
Source:Visit Copenhagen
 


塔を背にしてのぞむ宮殿中庭
Source:Visit Copenhagen
 

父の日

多くは6月第三日曜日(2019年は6月16日)ですが、デンマークでは父の日(Fars Dag)をこの憲法記念日に祝います。
母の日ほど盛り上がらず忘れられがちなため、近年になってこの日にあてられたそうです。
「お父さんがわが家の憲法」ということでもないようです。がんばって、お父さん!


子供との時間を大切に過ごすデンマークのお父さん
Source: Unsplash
 

ヨーロッパ諸国も羨む(?)とても合理的なデンマーク語がありますので、ご紹介しましょう。
デンマーク語でお父さんは Far ≒ ファ、お母さんは Mor≒モァです。 父方のお祖父さん(お父さんのお父さん)は Far Far、お祖母さん(お父さんのお母さん)は Far Mor、母方のお祖父さんは Mor Far、お祖母さんは Mor Morとなります。
話に4人の祖父母が登場しても、関係性が明瞭で混乱はありません。
いかがです、便利でしょ。


働く両親に代わり、孫が毎日のように祖父母を訪ねることも多い
Source: Pexels
 

フェス

また6月はフェスのシーズンでもあります。
Roskilde Festival(ロスキレ市、6/29-7/6)をはじめとして、Distortion (コペンハーゲン市、 5/29-6/2)やNorthSide (オーフス市、6/6-8)など、全国各地でたくさんの音楽コンサートや野外フェスが開催されます。

ロスキレ・フェスティバルでは、8日間の開催期間中には雨が降ることも珍しくありませんが、観客は悪天候も織り込み済みの完全装備。足が遠のくことはありません。

 


ロスキレ・フェスティバルは北ヨーロッパ最大の野外ロックフェス
Source: Roskilde Festiva
 


開催中会場にとどまってフェスを味わい尽くす人も多い
Source: Roskilde Festival
 

夏至祭・聖ヨハネの日

6月24日は、洗礼者ヨハネ(バプテスマのヨハネ)*の誕生日**とされ、各教会それぞれの祭日となっています。

*ヨハネは、デンマーク語でハンス、英語でジョン
**イエスキリストの6か月前に誕生したとされている
 

キリスト教受容前のヨーロッパは、夏至の時期に祝祭が行われていました。
その夏至祭と、聖ヨハネの誕生日が結びついたものです。
 

6月23日夏至祭前夜 (sankthansaften サント・ハンス・アフトゥン、St. John’s Eve)

6月23日の夜にはデンマーク各地で夏至祭を祝うためにたき火(sankthansbål サント・ハンス・ボル、St. John’s Bonfire)が行なわれ,魔女の人形を焼いて厄払いをするという習慣があります。
 

バイキング時代から、日がもっとも長い夜に「魔」が活発になると信じられてきたため、この夜にたき火をして「魔」を追い払う儀式を行うのです。
 

夏至の日にドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)にあるブロッケン山で魔女が会議を開くので、魔女が町に降りてこないように、という北欧の民間信仰に由来し、1800年代に始まった儀式です。その年の収穫を悪霊から守るという意味もあるようです。
 

水辺などにたき火を組み、その上に案山子のような魔女の人形を掲げます。
22時に点火。
毎年恒例の仕掛けとして、魔女が「ミーン!」と泣き声をあげて消滅、あるいは魔女の衣装にかんしゃく玉をしかけて爆音と共にブロッケン山(悪魔の住みか)へ追い払います。


人形でも魔女はちょっと怖い?
Source: Nordjyske
 

夏至祭は、国によって異なり、他の北欧諸国ではスウェーデンを代表格におおむね牧歌的でロマンティックな行事を行います。

ラディカルに魔女を追い払うデンマークのやり方は、「デンマークだけ良ければいいってこと?」と他の北欧諸国のからかいの対象となっています

広場や海岸では天辺に魔女の人形を掲げたたき火が点火され、夜店が出たりライブが行われたりと一年で一番長い日を楽しみます。Frederiksberg GardenやNyhavnのたき火は人気で、たくさんの人が集まりますが、基本的には地域ごとに行う行事で、ちょうど盆踊りのようでしょうか。


Source: kristendom.dk
 

親しい人と公園などに出かけ、ブランケットを敷き、ワインやビールを飲みながら、暗くなるまで(23時過ぎ)までのんびりとおしゃべりを楽しみます。
たき火が燃えつきるのを眺め、おしゃべりを楽しんだ後、(魔女は山に帰ったので安心して)帰宅の途につきます。
翌日からはデンマークの夏休みシーズンが本格的にスタートします。

私たちも、心に太陽を、夏空を想い描きながら、梅雨を元気に乗り切りましょう。

実は今回で毎月のデンマークの紹介は終了。
来月からは、デンマークの風習や文化をご紹介いたします。

 

過去のデンマークの紹介記事一覧
 
この記事を書いた人

aa(akemi)

フライング タイガー コペンハーゲン一番のデンマーク通。
息子とハンバーガーを愛する社内ブロガー。
不定期で、デンマーク紹介をしていきますので、皆さんお楽しみに!

写真引用
Copenhagen Media Centre
https://www.skyfish.com/p/copenhagenmediacenter
Unsplash
https://unsplash.com/
Pexels
https://www.pexels.com/
Roskilde Festival
https://nordjyske.dk/plus/
Kristendom.dk
https://www.kristendom.dk/

※本サイト掲載情報と、店舗で販売中の商品の内容(仕様や価格、在庫状況など)は異なる場合があります。

※一部新商品は、発売前に掲載を開始します。店舗により発売時期は異なります。